先日、大阪出張の際に少し時間が取れたので、安藤忠雄さん設計の「司馬遼太郎記念館」を見学してきました。
近鉄奈良線の河内小坂駅から徒歩で10分ほど、第一印象は、雑木林に埋もれた小さな施設という感じです。街並みや庭との関係、残されている司馬遼太郎さんの住宅との関係を十分に考慮した設計の過程が感じられました。
正門からのアプローチも素晴らしく、細い雑木林を通り、途中に司馬遼太郎さんの書斎を見ながら、記念館の入り口にたどり着きます。庭の木々がちょうど紅葉の時期でした。葉が赤や黄色に美しく色づき、街中にいることを忘れてしまいました。この庭は、司馬遼太郎さんが好んだ雑木で構成されているそうです。
記念館の展示の見せ場である書架は、2万冊におよぶ蔵書が吹抜け空間いっぱいに展示してあり、作品を生み出す司馬遼太郎さんの頭の中といった感じでしょうか。高さ11mの壁面の書棚には、本当に圧倒されました。吹抜けを書棚で埋め尽くす…そんな設計に憧れます。
雨が降っていて、あまり時間もなかったので、もう一度ゆっくりと訪れたいと思いました。「司馬遼太郎記念館」お勧めです。
いしざき