昨年の4月に竣工したF邸。耐震化と断熱性能を改善する性能向上リフォームを行った物件です。
この一番寒い2月に、室温の改善効果に関する事後検証するために実測をはじめました。
測定は、「おんどとりease」という10分間隔で温湿度を記録できる計測器を使用します。測定ポイントは、断熱改修を行った断熱区画内の「リビング」と断熱区画の外になる「座敷」、それから「外気」の3か所です。
早速、F邸に測定機器を送り、クライアントに設置してもらいました。
さあ実測!という設置後1日目に事件が起きました⤵
クライアントが仕事から帰ると、なんと玄関先に置いておいた測定器が、ない!!!
速攻で連絡がありました。
そして翌朝、明るくなってよくみてみると、設置されていた椅子付近の現場にはネコの足跡が…。
状況証拠から、パッシブを標榜するネコのしわざではないかと推察しています。
仕方ないので、外気の温湿度は気象庁のアメダス(飯田観測所)のデータで代用することになりそうです。他の2つは問題ないので、来週はじめごろまで実測を行う予定です。どのような結果になるか楽しみ。
ちなみに、シミュレーションや手計算では、断熱区画の外側になる隣室との温度差は、20℃近くになる予定。
健康的にかなり厳しい状況ですが、F邸は主要な生活範囲は全て区画内に納まっているので問題ないです。このシミュレーションと実測結果との比較も検討してみたいと思います。
部分断熱改修は、暖房を行っている断熱区画内と、その外側との温度差が問題になります。温度差は、暖房室の割合で変化します。F邸は、非常に大きな住宅なので暖房室の割合が小さい分、温度差も非常に大きくなることがシミュレーションから読み取れます。
この様な状況を見ると準寒冷地の部分断熱改修は、水回りを含めた生活空間を区画内に取り込むことが必須条件になるとつくづく思います。
いしざき